不景気続くよ・これからも

 不景気続くよ、これからも

 皆様、今晩は


 日本では四半世紀前にバブルが崩壊し、不景気一直線となりましたがつい最近銀行の不良債権処理に一定の道筋がついたという状況です。


 しかし、このバブル崩壊は一種のワクチンだったとみる方々もおり、そのおかげでリーマンショック(The financial crisis)からくる欧州金融危機の直撃を回避することができたとみる向きもあります。


 とはいってもバブル崩壊が日本に残した傷跡は非常に大きく、終身雇用制、正社員制度(福利・厚生制度付)が大きく破壊され、巷では非正規社員が激増し、社会の不安定さが増加し、今迄の一般の日本人が夢見てきたライフサイクルが大きく崩れ去りました。


 今迄ではお勉強して、大学を出て、就職し、車でも買って、結婚をして、子供をもうけ、マイホームをローンで購入し、子供を育て、進学させ、子供の巣立ちと時を同じくして会社を退職、退職金の一部で残った住宅ローンを完済し、厚生年金と残った退職金、それまで貯めた資産を銀行に預け、利子も加えて悠々自適の年金生活。巣立った子供が結婚して孫が生まれれば大万歳・・・孫も大きくなるころにはあの世からの御迎えもやってくる。残された遺族にはお古にはなったがマイホームと保険金を残せる。という夢が成り立っていたのですが・


 不景気によりブラック企業・リストラなる言葉が出現し、その言葉にサラリーマンは怯え、日本独特の雇用制度が崩壊、結果、社会が不安定になり、上記のライフサイクルが完全に崩壊し、金銭面で結婚・出産を諦める若者が急増、少子高齢化に歯止めが掛からなくなりました。


 それでも何とか就職できたとしても夢見ていたライフサイクルは夢のまた夢である事が露見し、将来に希望が持てないことを悟った若者は消費を嫌い貯蓄を推進、サトリ世代と揶揄される事態に、結果

 引用開始

 既婚者のへそくり額、過去最高に  

ITmedia ビジネスONLiNE  2016,11,22

 既婚者のへそくり額は?――明治安田生命保険の調査によると、20〜50代の平均額は89万8495円で、前年から約20万円増加した。 
20代のへそくり金額は2012年から2倍に増加しており「若者の貯蓄志向が高まっている」(同社)ようだ。
 
 引用終了

 1980年代中盤のバブル時代とは真反対の状況です。サトリの言葉通り将来の傾向を悟り、対策を実行した挙句“質素倹約令”を己に課し、“アリとキリギリスの物語”の“アリ”を演じようとしている関係上、キリギリス型の消費は敬遠されたがために消費が減少、


 この様な状況なので、結果

 引用開始

黒田日銀が笛吹けど小売業踊らず、相次ぐ値下げ-脱デフレの新枠組み
 loomberg 2016,11,25

 日本銀行の黒田東彦総裁が国民の間に染み付いたデフレマインド払しょくへより強い決意を示した金融政策の新たな枠組みを打ち出して2カ月がたった。

 しかし、日銀の努力とは裏腹に、その後、値下げを選択する企業が相次いでいる。
 消費者に身近な企業が相次いで商品の値下げを発表。日本の消費支出の弱さとデフレ脱却の難しさが鮮明となっている。
 25日発表の10月の消費者物価指数も8カ月連続で低下した。
 JPモルガン証券のシニアエコノミストは相次ぐ値下げについて、「日本の企業はただ現実的な判断をしているだけだ」と語る。
 「日銀の新しいコミットメントが物価上昇に効果があるとは誰も思っていない。そもそも2%に本当に行くかどうかも強い疑念を持たれている」と指摘。

 引用終了

 となっています。景気は個人のマインドと直結しており、上記のライフサイクルの前提となる終身雇用・正社員制度が完全に崩壊し、安心が持てない状況になれば消費に向かうはずはないのです。


 政府とてその事は十分熟知しており、一億総活躍社会と銘打って社会の安定、将来の安定を図ろうとあらゆる手を打っていますがなかなか望んでいる方向にいかないようです。

 諸外国人と比べて日本人は潜在的に危機察知能力が鋭敏らしいのです。

 

 バブル崩壊後、失われた20年という超長期の熟成を経た関係上、そう簡単にはマインドのベクトルを上向きに変更できないかもしれません。


 更に、日本だけの問題なら兎も角、これが海外の状況も絡んでくるので事は厄介です。


そう、海外の状況とは・・・・・・


 云わずと知れた中国と中国に惚れ込んだドイツを初めとする欧州の状況なのです。双方のバブル崩壊はこれからなのです。理財金融・偽銀行・ゾンビ企業・不動産バブル崩壊、株価急落にまつわり、不良債権問題が一斉浮上し、中国・ドイツを中心とした金融機関のThe financial crisis第三弾が勃発します。

 その規模は双方の国家・共同体の経済全てを吹き飛ばしそうな規模でしょう。リーマンなんて目じゃありません。


 紙幣を大増刷してヘリコプター・ベンと揶揄されるばらまき政策で苦境を脱しようとしているアメリカとバブル崩壊後の不況を耐え抜いた日本は今全力でこれから起こるであろう欧州・中国発の危機から逃げようとしています。


 であるがゆえにアメリカ以外でダメージを回避できる可能性のある国家かつ、先のサミットで唯一危機を声高に叫んだ国家日本の首相と最初に会談したとヤマ勘を巡らせています。

 

 会談内容は非公式ですから判りようはないのですがwww


 しかし、直撃は回避できても大打撃は避けられそうにありません。

 外国人と比べて日本人は潜在的に危機察知能力が鋭敏らしいのです。

 失われた20年を耐え抜いた日本人なのです。これらの危機を本能的に察知しているのです。この危機に対して個人でできる対策を実行せざるを得ない状況下で景気を浮上させるための消費向上には向かいにくいでしょう。

 不況はまだまだ持続しそうです。これからも

2016年11月26日